*

本質が議論されない都知事選の危険性

公開日: : 考察

細川護煕氏が都知事選出馬を正式に表明したことで、メディア報道も一段とヒートアップしている。

今回の都知事選は、すでに全国区。

都民だけでなく、全国的に大きな関心を呼んでいる。

選挙への関心が高まること自体は悪いことではない。

しかし、僕が危惧しているのは、細川氏、舛添氏だけでなく、立候補者の誰も都政の本質的な問題を語っていないことだ。

もちろん、原発問題は重要な問題だ。

しかし、都知事候補として語るべきは、原発問題をどのような文脈で語るかである。

つまり「東京をどのような都市にしていくのか?」というコンセプトの元に、原発問題も語るべきだが、そのコンセプト自体が何も語られていない。

このコンセプト無しに、原発問題を語っても、都知事候補としては何の意味もない。

そして、候補者として語るべきは、東京が抱える本質的な問題をどう考えるか、どのようなソリューションを提供するつもりなのか? という意味でのコンセプトである。

では、東京が抱える本質的な問題とはなにか?

それは、国際的な地位の低下である。

有力な外資系企業だけでなく、日本企業でさえ東京を脱出している。

富裕層も移住を始めている。

行き先はシンガポールだ。

つまり、資本がどんどん東京からシンガポールに移動している。

さらに、長期的に見ても、東南アジア各国の経済がさらに成長した時に、経済ハブとして圧倒的に有利なのもシンガポールだ。

つまり、世界的に「都市の競争」が激化している現代社会にあって、東京はすでに地盤沈下を起こしていおり、長期的に見ても不利な状況にある。

経済都市としての衰退が、東京にとって良いわけがなく、そこをどう解決していくかが、都知事に求められる最大課題である。

原発問題もオリンピックも、すべてはこの文脈で語られるべきだが、候補者は誰もこのことについて語らず、メディアも話題にしない。

生活者にとって見えにくい、分かりにくい問題であることは確かだ。

だから、選挙の論点としては弱いことも理解できる。

しかし、長期的に見て、日常の生活に最も大きな影響を与えるのが、この「経済としとしての地盤沈下」であることを、都民はちゃんと理解すべきだろう。

関連記事

kimigayp

集団的自衛権に反対している連中は、君が代が世界で唯一の平和的国歌であることをちゃんと理解すべきだ

集団的自衛権に反対する運動が少しばかり盛り上がっている。 首相官邸の周囲でも反対派のデモが深夜

記事を読む

eyecatch

CSRは「信頼」から「共感」へ

世界の多くの企業は、ステークホルダーの「信頼」を得るためにCSR活動を行い、報告を行っている。

記事を読む

nuclear

脱原発派は小中学校の教室のエアコン設置に反対すべきではないのか?

昨日は、小中学校の教室のエアコン問題について書いてみたが、 http://takei.us/a

記事を読む

school in africa

小中学校の教室にエアコンが必要な理由がよくわからない。

千葉市の小学校の教室にエアコンが設置されていない、ということで市議会にエアコン設置を求める請願が出さ

記事を読む

asibaninnseido

最高裁判事の頭の悪さ〜裁判員制度は終わった

最高裁が裁判員裁判で出した判決を「公平性に欠ける」として却下した。 関連記事はこちら 今

記事を読む

volvic

コーズ・マーケティングの限界

最近はミネラル・ウォーターの値段がどんどん下がっていて、スーパーやコンビニでは2リットル入り

記事を読む

eyecatch

CSVを超えて〜バリュー・エンゲージメントの可能性

マイケル・ポーターらが打ち出した「CSV」という概念。欧州委員会がその政策文書で「ヨーロッパ経済の成

記事を読む

eyecatch

バカ社員を教育するのも企業のCSRだろう。

今日の東京は大雪。 というわけで、夕方以降、羽田空港でも欠航があいつでいる。 地方空港か

記事を読む

eyecatch

「信頼CSR」と「共感CSR」の具体的な違い(その1)

これからのCSRは「信頼から共感へ」。 これが僕の主張なのだが、もう少し具体的なことを少しずつ

記事を読む

female_soldier

アフガニスタンの女性兵士は女子力が高い?

今週号の「TIME」に、なんと「アフガニスタンの女性兵士」に関するレポートが載っている。

記事を読む

sma1
活動拠点を当ブログから移動しました。

僕がプロデュースする女性支援NGO「ガールパワー」では、2016年7月

mizutani
夜回り先生の右手親指はなぜ潰されたのか?

昼飯を食べながら「徹子の部屋」を見ていたが、今日のゲストは「夜回り先生

bouzu
CSRが儲かるとか儲からないとか、そんなことを議論しているから御社の業績は落ちるのだ。

昨日に続き、CSRは儲かるかどうかの議論について。 何故に、CS

csr
CSRは儲かるとか儲からないとか、この業界はいつまで頭の悪い議論を続けるつもりなのか?

つい最近、日経ビジネスにこのような記事が掲載された。 「社会貢献

sukiya2
ゼンショーのワンオペ、何が悪い!?

ここのところ、ニュースでは連日のようにゼンショーがネタにされている。

→もっと見る

  • 社会貢献に関するさまざまな情報をお届けする竹井善昭のメルマガです。ぜひご購読ください。 下記より登録できます。 竹井メルマガ登録フォーム

  • 社会貢献を志すすべての人のために。社会貢献という生き方を選ぶすべての人のために。社会貢献でメシを食うための方法を徹底解説。ソーシャルビジネスやCSRの考え方から、すぐに使えるヒント、アイデアまで。学生から企業人、そしてNPO・NGOスタッフまで。これ一冊で社会貢献のすべてが分かります。
    社会貢献の入門書として、大手外資系コンサル会社や中央官庁などの社会貢献系部署で必読書となっているロング・セラー。
    Amazonで購入

  • 英語やロジカル・シンキングだけでは世界では通用しない。真のグローバル人材になるために必要なことは何か? 誰も書かなかったその本質を徹底解説。
    Amazonで購入
PAGE TOP ↑