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ゼンショーのワンオペ、何が悪い!?

公開日: : 雑記帳

ここのところ、ニュースでは連日のようにゼンショーがネタにされている。

要点は下記の三点だ。

  • ワンオペの廃止
  • すき屋の牛丼の値上げ
  • 赤字

赤字転落は「結果」であるが、ワンオペの廃止と値上げは施策だ。

当然だが、企業の施策にはその企業の経営の意志というものが反映される。

そういう視点で見ると、この二つの施策に関して僕は大きな違和感を感じる。

ことここにいたっても、ゼンショーからは従業員や顧客視点というものが感じられないのだ。

ワンオペは過酷な労働を従業員に強いるとして「ブラック企業」としての批判を浴びる象徴的なシステムだった。

それで、評判を落とし、従業員を確保できなくなり大量の店舗閉店、休業。そして赤字転落となり、業務改善のための第三者委員会の指摘もあって廃止することになったのはご存じのとおり。

しかし、僕はワンオペを廃止する必要があったのか、疑問でもある。

そもそもゼンショーがブラック企業批判を浴びたのはワンオペのせいではない。

ワンオペがNGなのではなく、一人で店を回せないようなメニューを導入したことが問題なのである。

もちろん、従業員としては一人より二人以上で働くほうが楽なのは当たり前。

客へのサービスの意味でも、防犯上(従業員の安全も含めて)の意味でも、複数スタッフでのオペレーションのほうがいいに決まっている。

しかし、すき家の強みの一端がワンオペにあったとすれば、ワンオペというシステムを維持したままで、というかそれで店が回せる仕組みやメニュー構成を考える方向性もあったはずだ。

そもそも、深夜の一人勤務のシステムを取り入れたのは、それでなければ利益がでなかったからではないか?

それを安易に(安易かどうかは分からないが)、世間から批判されたからといって廃止する。

まあ、世間の批判に耳を傾けることは必要だが、ワンオペを廃止することで多くの店舗で深夜営業をやめるとか、なにか戦略の一貫性が感じられないのだ。

ワンオペがすき家の成長の源泉なら、そのシステムを維持できる方法を考えるのがまっとうは経営感覚だと思う。

値上げに関しても違和感がある。

ワンオペを廃止することで収益の悪化が見込まれる。それで値上げする。

牛丼並盛りが、270円から291円に値上げされる。

そのこと自体は、まあしょうがない。

しかし、何故に21円の値上げなのか?

考えてみればわかるが、291円という値段設定は客からしても、従業員からしても非常に使い勝手が悪い。

1円単位の支払いは、客からすれば時間がかかるし、従業員が釣を出す時も手間がかかる。

従業員の負担を減らすためにワンオペを廃止するはずなのに、価格設定では手間を増やしている。

つまり、戦略に一貫性がないのだ。

なぜ、一貫性がないかというと社長を始め、経営陣が現場に出ていないからではないかと思う。

現場に出ていれば、ワンオペではとても回せないメニューを導入したり、手間を増やすような価格設定はやらないはずだ。

日本企業の強みは、どんな大企業の社長でも現場に出るというところにあった。

サービス業は特に現場を知らなければ、卓越したサービスは提供できない。

すき家の問題は、ワンオペでも牛鍋でもなく、そのあたりの経営感覚にあると思うがいかがだろう?

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