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CSRは儲かるとか儲からないとか、この業界はいつまで頭の悪い議論を続けるつもりなのか?

公開日: : 雑記帳

つい最近、日経ビジネスにこのような記事が掲載された。

「社会貢献で儲かって、何が悪い! CSRはただのイメージアップや金食い虫ではない」

http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20140725/269242/?rt=nocnt

この記事で著者が言わんとしていることはまあ、分かる。

最新の論文をベースとした記事は、僕にとっても勉強になる。

しかし、

これは、この記事がどうのこうのというより、CSRを巡る議論全般に関して思うことなのだが、いつまで議論ばかり繰り返しているのだろうと思う。

僕のCSRに対する徒労感みたいなものの根本的な要因はそこだ。

CSRが儲かるか、儲からないかなど、そんな議論はハッキリ言って無駄だ。

考えてみて欲しい。

たとえば、外食産業が儲かるかどうかはまったくナンセンスな議論だ。

無受かっている外食企業もあれば、そうでない企業もある。

それと同じことなのだ。

CSR(ここではCSVも含む)が企業の成長に役立っているかどうかは、その企業の戦略による。

成長戦略に役立っている企業もあれば、そうでない企業もある。

数百、数千社を調べて、全体としての傾向がどうなっているかを調べることは、学者にとっては意味があることだが、実務家にとってはあまり意味が無い。

世の中にはひとり勝ち企業というものもあるが、それは要するに業界トップの企業だけが儲かっていて、その他の企業は儲かっていないということだ。

それで、その業界のほとんどの企業は儲かっていませんという調査結果が出たとしても、あまり意味のあることではない。

また、世の中には誰が見ても斜陽産業なのに、画期的なビジネス・モデルを導入して大きく成長する企業も多い。

たとえば、書店はネット書店が出てくる20年以上も前から斜陽産業だった。ネットのせいで町の本屋が潰れていると考えるのは、昔のことを知らない(つまり、勉強が足りない)若造だけだ。

しかし、その斜陽産業だった書店業界に(当時としては)画期的なビジネス・モデルを持ちこみ大成功した企業がある。

TSUTAYAを運営するCCCだ。

さらに、斜陽の書店業界でネットが登場した後に創業して大きく成長した企業もある。

ご存じ、Amazonだ。

CCCが創業した80年代前半や、ネットが登場した頃に「書店は儲かるか?」などという議論があったとしたら、間違いなく大多数は儲からないと主張していただろう。

もちろん、綿密なリサーチを行えば行うほど、書店は儲からないという結果が出ていたであろう。

しかし、そのような議論があったとして、CCCやAmazonにとっては、その議論は何の意味もなかったのだ。

CSRに関しても同様のことが言える。

前述の日経ビジネスの記事にもあるように、CSRはおおむねBtoCの企業には儲かることに役立ち、BtoBの企業にはそうでもないという傾向はあるだろうが、そんな総論的な話は現実の企業経営者にはほとんど何の訳にも立たない。

肝心なのは、自社にとってCSRは役に立つかどうかの話だ。

総論的な議論は学者や学生や評論家に任せておいて、経営者はもっと具体的な議論をすべきだろう。

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