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夜回り先生の右手親指はなぜ潰されたのか?

公開日: : ボランティア, 教育, 若者論, 雑記帳

昼飯を食べながら「徹子の部屋」を見ていたが、今日のゲストは「夜回り先生」として知られる水谷修氏だった。

水谷氏の活動は、社会貢献の範疇なので話を聞いてたら、ちょっと腑に落ちないエピソードが語られた。

昔、自分の生徒がヤクザになってしまった。

それで、説得して組を抜けさせたが、その生徒が組を抜けて1ヶ月は、その組の縄張りに立ち入らないと約束させられた。

ところが、その生徒は約束を破ってその縄張りに入ってしまった。

こういう場合、当然ヤクザは落とし前をつけることを求める。

それで、その生徒の指を詰めるという話になったのだが、夜回り先生は「生徒に指を詰めさせたら、自分は先生を続けられない。やるなら自分の指を詰めてくれ」と主張。

それで、ヤクザは「あんたは堅気だから、指を詰めさせるわけにはいかない。代わりに指を潰す」と言って、その生徒に先生の指をハンマーで潰させた。

本当は右手の小指を潰すはずだったが、その生徒は泣きながらハンマーを振り下ろしたので手元が狂い、親指に当たり、それで親指が潰されたという話だ。

ここで疑問なのは、まず、なぜに右手の小指だったのか? ということだ。

ヤクザ映画などでも描かれているが、こういう場合、詰めるのは左手の小指だ。

つまり利き手の指は詰めない。(左利きの場合どうするかは知らないが)

テレビで見る限り、夜回り先生は右利きのようだ。

それをなぜ、くだんのヤクザは右手の小指を潰させたのか?

このような場合、人はおおむね、慣習とかしきたりにしたがって行動する。

つまり、潰すなら左手の小指を潰すのが自然だが、わざわざ右手にした理由が分からない。

この話、他にもいろいろと疑問がある。

そもそもなぜ、ヤクザでもない人間の小指を詰める(切る)のではなく、潰させたのか?

切り落とした指は処置させよければ、くっつくことも可能だ。

しかし、ハンマーで潰してしまっては再生は不可能だ。

結果としては、夜回り先生の完全に潰されることはなく、三年後にツメも生えてきたそうだが、これはあくまで結果論だ。

指をハンマーで潰すという文化は、日本のヤクザにはない。

指詰めの他に、やんちゃが過ぎるヤツをさらって手足のツメをはぐみたいな話は聞いたことがあるが、指を潰すという話は聞いたことがない。

また、基本的にヤクザは堅気の人間を脅すことはあっても、身体的な気概を加えることはあまりない。

世間のイメージとは違い、やたらと素人を殴ったり(身体的な)危害を加えたりはしないのだ。

事件にされると困るからだ。

もちろん、誰かをボコボコにしたり、場合によっては殺してしまうこともあるが、それはあくまでヤクザ同士のことであったり、やんちゃが過ぎる不良が対象で、堅気の人間相手にそのような行為をする場合は、組のメンツがかかっているとか、億単位の金を巡るトラブルとか、かなり重要な局面の場合だ。

ヤクザは暴力をふるうのが仕事ではなく、相手に恐怖を与えるのが仕事で、基本的にはイメージ産業なのだ。

そのイメージを守るために、暴力沙汰を起こすこともあるが、警察沙汰になるようなことは基本的に避ける。

矛盾しているように思うだろうが、実際にはそれがヤクザの基本的な行動原理だ。

だから、高校の教師の指を潰す、しかもその生徒に潰させるような行為を強いるのは考えにくい。

こんなことが表沙汰になれば、マスコミでも話題となり、警察も本気でかかってくる。

そうなれば、事件を起こした人間は、それこそ親分から指詰めを強いられることになるだろう。

それはヤクザとしても避けたい。

指詰めは過去に不始末をしたことの証なので、好きこのんで指を詰めるヤクザはいない。

ヤクザだって、自分が指を詰めるような事態はなるべく避けたいと思っている。

それなのに、なぜ、高校教師の指を潰すなどということをやったのか?

そして、夜回り先生はなぜ、このことを事件にしなかったのか?

というわけで、このエピソード、聞いた限りの印象で言えば、違和感を拭えない。

まあ、だからどうという話でもないが、この話、まだ語られていないなにかがあるように感じた。

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